社労士の仕事、試験、学習法のアウトラインをチェック!

働く人のことを思いやりながら、勉強を続けられる人

ここまで読んでいただいて、働くことに何を求めている人が社労士向きの人なのか、おおよそを感じて頂けたのではないかと思います。私は「自分は社労士に向いている」と感じることができた方に、社労士の試験を目指してほしいのです。実例をお伝えしてきた通り、決して生易しい仕事ではないからです。感受性豊かなみなさんには蛇足かもしれませんが、ここではあえて社労士の適性についてまとめてみたいと思います。

◆人のことを思う気持ち。

この資質がないと、特にコンサル業務を中心に活動する開業社労士は務まらないと思います。職場の問題は、その多くが人の問題に関係しています。また社内の問題は明らかに表面化しているものばかりでなく、潜在的な問題もたくさんあります。本当はそうあることが理想なのかもしれませんが、従業員が胸の内の不満をすべて表に出していたのでは、会社経営は成り立ちませんから。
しかし社労士は、そのよう表には出てこない人の思いにも敏感でいる必要があります。働いている人の本当の気持ちをつかめなければ、みんなに納得していただける制度というのは、作れるはずがないからです。雇用者と被雇用者、あくまで中間のニュートラルな立場で、どちらのサイドにも満足していただける環境(制度)を整えること。そしてそのことを会社ぐるみになって運用するよう働き掛けるのが社労士です。人を思い、人を知り、人を動かす力が大切になります。

◆勉強熱心であること。

国対企業という視点に立つときは特に、勉強の大切さを痛感させられます。特に社会情勢、なかでも法改正には敏感でいないと、社労士はお客様の力になれません。
一例ですが、最近私が頭を悩ませているのは裁判員制度の問題です。まだ顧問契約先では裁判員に指名された方はいませんが、このことも早めに手を打っておく必要があると思っています。少し込み入った話になりますが、法務省と厚生労働省は、裁判員などになった従業員に対する企業の労務管理について、裁判所から支給される日当を企業側に納めさせたり、有給休暇中の給与から差し引いたりすることを一定の範囲で容認する見解を、最近明らかにしています。どうやら、従業員が裁判に参加しやすくなるために打ち出し方針らしいのですが、こういう通達の前ではもう労使は関係なく、「どうするのがいい?」と、経営者も社員も一様に頭を悩ませてしまいます。そうしたケースにおいて社労士は、労働に関する法律については、顧問先のリーダーである必要があります。社会情勢の変化から常に目が離せないのが、われわれ社労士の日常でもあるのです。

社労士の適性として、あれもこれも求められたのではみなさんも辟易するとは思います。それでもこの2つの資質は絶対に必要な気がします。また、人を思う気持ちというのは若いうちはあるようで、それほど育っているものではありません。むしろそういう力は、社労士として人の痛みと向き合うことで、だんだんと培われていくものです。私自身のことを振り返ってみてそう感じるのです。人と向き合い生涯勉強を続けること。そのことに価値を見いだせるみなさんなら、それがもう立派な受験資格だと私は思っています。